こりゃあまるで落語だわ、と常日頃から感じることが多いのですが、文化放送「志の輔ラジオ土曜がいい」の中で会った来栖けいさんはまさに、落語「試し酒」に出てくる久造です。
見た目は普通の華著な25歳の男性。
「食の天才」と称され、顔は決して出さずにテレビでもちょくちょく登場、他の美食家や評論家や大食漢からも一目も二目もおかれている存在です。
スタジオに持って来てくれたおすすめのわらび餅のうまかったこと。
味を上手に表現できる腕が私にないのが悔しいところです。
彼の特徴は、天才的な舌をもつことと、驚異的な食事量。
落語「試し酒」は、驚異的な酒の量を飲む久造をテーマに描かれているのですが、来栖さんを主人公に「試し飯」という新作落語を作ろうかと思ったほどです。
たとえば昨日はどんなものを?と聞くと、克明に書き記したメモを見せてくれました。その1日分だけでも、ここにはとても書ききれない量と種類なのです。
まず朝7:00、千駄木のパン屋にて、あんぱん、クリームパン、ドーナツ、ブルーベリーデニッシュ、クラスティロール、自家製たまこサンド、イカフライのドツク、メンチパン、焼きそばパン。
この焼きそばパンが入ってうれいるところが嬉しいですね。
おかずパンはパンじゃない、なんて言わない。
で、9:30にはもう次へ移動して、千駄木ケーキ屋にて、ムースショコラブラン、ルロー・ド・モカ、ガトー・ショコラ、この後10:15には茗荷谷の和菓子屋「一幸庵」の椿餅、わらび餅、磯あそび、菜種の里、春野の土産、春野の香り、胡蝶、春告烏、11:30には……もういいですか。
これから六本木イタリアン、ケーキ屋、地鶏のカルバドス風味、などなどを経て護国寺の中華屋で塩ラーメンと梅塩ラーメンで締めくくり。
この日が特別なのではなく、3日に一度はこういうスケジュールだというから開いた口がふさがりません。プライベートは一切シークレットにしていて、謎の美食家として「美食の王様」というガイド本を出した彼。趣味謄好はいろいろ。釣りに熱中する人もいれば、落語に熱中する人も。
仕事でもないのに、私の落語会にほんとにこまめに来てくれて、昨日はアレを見て明日はコレとその人の落語遍歴を聞くとこれも常人を超えています。
来栖さんの場合も職業として食べていたわけではなく、とにかく食べたくて食べてたら本にしないかと誘われただけのこととか。今では、「私にとって、食は職人との戦いです」と、さわやかにこともなげに語って去りました。
たしかにわらび餅は絶品だったから、彼がすすめる167店180皿、機会があったら試してみるかなあ。
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