史上最年少のカンヌ男優賞が日本から出ました。
快挙です。
柳楽(やぎら)優弥君14歳。
私の頭の中では、柳葉敏郎さんと、なぎら健壱さんと、内田裕也さんがグルグルしました。
「華氏911」で、最高賞のパルムドールを受賞したマイケル・ムーア監督が「キャストがよかった、ありがとう、ブッシュ」と皮肉を言って会場を笑わせたそうですが、ならば、優弥君はプッシュ米大統領を抑えて堂々の受賞となるわけですね。
彼の目を見て一発で採用を決めた是枝裕和監督ですが、私が2年前に見て一発で気に入ったすごい女の子役は「ホテル・ハイビスカス」で主役の美恵子を演じた蔵下穂波ちやんです。
こちらは当時小学3年生。
あまりにも破天荒で天真爛漫、生きるエネルギーを溢れさせた沖縄の女の子。3100人の中から選ばれたという彼女の自然な表情や言葉は、淡々としたストーリーを集中力をもって見続けさせる力を持っていました。
監督は、5年前「ナビィの恋」で話題になった中江裕司さん。
テレビでも「困ったときは、子供と動物を出しておけばいい」とはよく言われることですが、こと映画に関して言えば、その撮影期間の長さを思うとき、子役が自然な演技を発揮し続けるようにするには大変なスタッフの努力がいることでしょう。
子役が素晴らしければ素晴らしいほど、私は、子役に自然な演技をさせつづける環境を作れる監督に驚異を感じてしまうのです。
実は私のところにも小学6年生の男の子を連れたお母さんがやって来たことがあります。
毎日、私の落語をテープで聞いてるそうです。丸暗記は子供の得意とするところ。
で、やってみせてくれたのですが、これが、うまい!
そこで私は考えるのです。
1回やってうまくても、これを20回30回やってどうなんだろう、と。仕事になると、100回やる落語だってあるわけです。
その1回1回を、初めてやるような気分でやらないと感動は伝わりません。
それを会得するのもプロになる条件の一つ。
長い期間、移り気な子供の気持ちを持続させる術を、是枝監督や中江監督が持ってる、ということに羨望を覚えます。
そういう術は、映画を撮る以外にも、人生の上できっと役だっているはずです。
柳楽君や穂波ちゃんが称賛されるのは、いわゆる「絵」になるのでマスコミも取り上げやすいのでしょうが、私がどうしても監督やスタッフの方に目がいってしまうのは、落語作品を苦心して作っていることと関係あるのでしょう。
ぜひ、両監督に会って、子供観、人間観、撮影現場は実際にどうだったのか伺ってみたいものです。
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